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こちらはまさに異常気象。ケアンズ〜ニューカレドニア辺りで大小のサイクロンが量産されています。先日バヌアツの武田さんと交信したときは、「今130ノットのサイクロンが吹き荒れています。視界は真白でなにも見えません。」といっていました。

また、クイーンズランドでは1週間から10日間の周期でStormy Weatherが繰り返され、ひどい強風でデッキがぶち破られるのではと不安になる大雨が襲撃しに来ます。1週間前にここから10km北のMaroochydoreという所で大きな洪水があり、道路が寸断され死者も出ています。

そうした大荒れの合間、5日間ほど、日中35℃にもなる夏日が戻ってきます。まるで過ぎ去ったストームが嘘のように穏やかで爽やかな数日間です。

半島状の地形のここは、マリーナの反対側がすぐビーチで、晴れるととても美しいところです。天気を伺ってはビーチの波打ち際を往復3kmほど散歩します。裸足にまつわりつく水は温かく、どこまでも脈を描いて拡がるビーチを、水に戯れる人々を眺めながら散策するのは素晴しい日課です。

しかし、それも昨日午前まで。そのあとはまた大荒れの天気が戻ってきて、マリーナに不快な風音が唸っています。

Hope IIの藤村君も舵の航海記に書いている通り、何か予測し難い異常気象のエネルギーが大気中に充ちているという感じがします。サイクロンの多発はシーズン性のものでしょうが、それらを含め、この異常な天候を毎日観察していると、本当に何が起きても不思議はないと思えてきます。

そんな訳で、今年のインド洋 - 紅海 - 地中海の航海は断念しました。少なくとも来シーズンまではここでじっとしているか、出るにしてもソロモン - バヌアツ - ニューカレドニア、或いはニュージーランドなど、ここオセアニア、南太平洋海域のグレートサークルに限ります。いろんな情報に接するうち、地中海にたどり着くまでの労のあまりの大きさと、地中海での予想外の失望という話が次第に確信に近くなり、夢にまで見た地中海の魅力を失いつつあります。

ここMooloolabaからDarwin、更にCocos Keeling IsChagos Is.SeychellesAdenとそれぞれ1500から2000マイル(2週間〜10日)が5レグあり、しかもそれぞれに厳しい条件が伴います。(かなり高性能な造水器が必要とか)その先に、今また政情不安の紅海です。

加えてヨーロッパの物価高や港の汚さ、気象の気紛れ等々…Bad Infoが多く、ちょっと意欲を失っている訳です。

今とったWeather Faxによると、20°S, 162°EにTropic Cyclone "Frank"が発生、東へ10ノットで進行中とのこと。バヌアツのPort Villaの南を通るらしいが、T. C.はこの辺で非常に足が遅い。従っていつまでもサイクロンの影響下から抜けられず、しかもサイクロンの針路が迷走する。

あまりグッドニュースのないお便りになってしまいました。今度は気象の回復期に書くようにしましょう。そうすれば、少しは文中に希望が見い出せるかも。いずれにせよ、今は最悪です。

Zen
西久保 隆(重信)
1999年2月19日


以前の手紙(ムールーラバへ着いてすぐ投函されたもの)

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