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今日4月5日です。月曜日とはいえ、イースター休暇の最後に当たり、全ての商業活動は停止しています。

人々は金曜日から始まった休日の最後の日を公園でバーベキューなどをして楽しんでいます。ほとんどはファミリーですが、何家族も連れだってワイワイやっているのが多いようです。

公園は至るところにあります。そして、そこには例外なくバーベキュー設備、ピクニックテーブルとチェア(多くは屋根のついたもの)があります。オーストラリア人は非常にアウトドアライフが好きで、これらの設備は全く無駄なく使われています。

バーベキュー設備の利用はもちろん無料です。しかし、その手入れの行き届いているのには驚かされます。早朝、清掃係のトラックが来て、すぐにも使えるよう徹底的に清掃してゆきます。

燃料の多くは電気ですが、なかにはガスや薪というのもあります。薪の場合は毎朝清掃員がどっさり補給してゆきますが、これも全く無料。

使う側もマナーが実に良く、鉄板に残った焼けこげなどきれいに取り除き、もちろんゴミなど残したりしません。

肉屋(ブッチャー)に行ってみると、値札に「バーベキューにお勧め」と書き添えてあったり、ケバブ(串焼き肉)などがBBQ(バーベキュー)プレートに載せればいいだけで売っています。いかにBBQが多く楽しまれているか分かります。

これは公園ばかりでなく、当然家庭でも行われています。気軽なパーティというとほとんどがBBQパーティです。

しかし、BBQには1つ決まりがあります。それはBBQのクッキングばかりは男の仕事ということです。

人々が集まり、ワインやビール、そして簡単なフィンガースナック(おつまみ)で適度に雰囲気が盛り上がった頃、奥方たちのおしゃべりが賑やかになると、そろそろ男性がBBQプレイスに集まり、それぞれが持ち寄った肉、魚、野菜を火の上に並べます。それなりに立派な貫祿の紳士たちが大勢BBQに真剣な目を注ぎ、右往左往する景色はなかなか愉快なものです。

アウトドアのついでに少しスポーツのことを紹介しましょう。

もっとも盛んなのはクリケット。今、ワールドカップをやっているようですが、さっぱりルールが分からず楽しめません。

次がラグビーとサッカー。サッカーはナショナルリーグというのがあり、20チームほどが週末に試合をします。しかし、ラグビー(フットボール)はサッカーを凌ぐ盛況ぶり。しかも、3種類のラグビーがあり、それぞれルールが大きく異なります。AFLフットボールはスクラムが全くなく、サッカーとラグビーの中間。SUPER12は元来のラグビー。ニュージーランドのチームも混じってリーグ戦をやっています。NRLラグビーは、それら2つの中間といった具合。言い忘れましたが、サッカーは国内のゲーム同様、ヨーロッパ、特にセリアAと英国のプレミアムリーグがテレビに登場します。

他にサーフィン、トライアスロン、セーリング、サーフライフガード、テニスが一般的。サーフィンはオーストラリア沿岸のどこでもできますし、いつでもどこかで大きなトーナメントをやっています。海岸での子供たちの遊びといえばボディーボードのサーフィン。層の厚さがうかがえます。

トライアスロンもよく見かけます。ルールも様々で、カヌーやボードパドリングなどをとりまぜたりとバラエティに富んでおり、特定のアスリートだけのスポーツではなく、誰もが参加し、楽しんでいます。

セーリングはいうまでもなくヨット競技。オリンピック式のマーク回航レースはあまりなく、ほとんどが長距離のオフショア(外洋)レースです。世界のメジャーなレースの1つ、シドニーホバートレースはオージーにとってはそれらのなかの1つに過ぎません。

サーフライフガード競技は日本では余り馴染みがないようですが、海岸でのライフガードのコンテストといえば分かりやすいかもしれません。砂浜でのスプリント競走や水泳、ボードパドリング、カヌーエンジンつきのライフボート、ウィンドサーフィンなどを取り混ぜた非常に過酷な競技です。ビーチから沖へ向かい、沖合いを岸と平行に、次に沖から岸へ、そして砂地を走る。これらをいろんなアイテムで個人メドレーでやったり、チームでやったり。更に5人乗りの勇壮なカッター(手こぎボート)の競技など…1日中観ていても飽きることがありません。そしてオージーのタフなこと、そのスタミナとファイティングスピリットには驚かされます。

テニスはクラブが沢山あります。テニスクラブと同様に、ボーリングクラブがあります。これはクリケット同様、英国のスポーツですが、年配者が多いこと、そして格式の高いクラブ組織で厳しいマナーの元に行われます。最近のテレビニュースで、有名なメルボルンのボーリングクラブに初めて女性メンバーが誕生したと報じていました。

この競技は日本のボウリングとは全く異なり、直径12cm程の金属のボールを投げて転がし、目標の近くへ寄せるというものですが、チームで1ヵ所のポイントを狙うため、先に投げた敵・味方のボールを後のボールが弾き飛ばしたり、寄せたりとなかなか駆け引きが微妙なようです。

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少々食べ物の話をしましょう。特に蛋白源の肉、魚について。

肉が魚より安いとは、我々日本人には信じにくいことですが事実です。よくオーストラリア牛は固いといわれますが、それは事実無根です。もちろん、1頭1頭手作りで育てたような松坂牛などと比べることはできませんが、一般的な高級牛肉と少しも変わりません。しかもその値段の安いこと。四百グラム程の最上級のフィレをステーキ用に切ってもらい、せいぜい550円〜750円。我々日本人には四百グラムのステーキはちょっと食べ切れません。時々私が買うポークフィレ丸ごと1本が約280円ほど。半分は焼き、残り半分はポテトなどと甘く煮て食べています。

魚の方は、鯛の片身で300円ほど。こちらでは丸ごとの魚というのは売り場にほとんど出ていません。頭を落とし骨を除き、種類によっては皮まで剥いだ状態でフィレと称して店頭に並びます。

ひと昔前まで、欧米の国々で魚を好むところは多くなかったようです。オーストラリア、ニュージーランドは割と魚を早く受け入れた方ですが、今でも魚というと忌み嫌う傾向が欧米には見られます。アメリカの俗語に「フィッシー」という言葉がありますが、「得たいの知れない怪しげな」という意味です。特にいやがられるのは臭い、そして骨だといいます。小骨でも口に入ろうものなら大騒ぎです。そして匂いの元のウロコと皮を除けば、まさに店頭に並ぶフィレとなる訳です。魚が高いのは、それらの手間も大きく影響しているのかもしれません。もちろん、食文化の発達したフランスを始めとする国々はこの話の枠外ですが。

私が大好きなのは、この地方のどこでも手に入る「茹で海老」です。クイーンズランドの沿岸はどこも浅い砂地で、大量の海老が簡単に獲れます。獲れた海老は船の上でさっと茹でてしまいシーフードショップへ直行します。オージーはそれをつまみながらビールを楽しみます。1kgが約20ドル(1600円)、500gも買うと3人ほどのビールにぴったりです。ただ、不思議なのは小骨で大騒ぎする彼らが、殻も背ワタもものともせず全部食べてしまうこと……どうなっているのでしょうかね。

詳しい数字で物価を比較した訳ではありませんが、肉ばかりでなく全てが約半分から3分の1の物価と考えられます。アメリカ(サンディエゴ)でもそうでしたが、スーパーで1週間分の買い物をして30〜50ドルです。日本にいた頃、同様の買い物で約1万円だったことを覚えています。大雑把な比較ですが、長い間の収支を観察していて概ね正しいと思います。オーストラリアは関税が非常に高い国で、全てを国内で賄っている訳でもないのにこの物価です。それに比べ、不況で物価が下がったとはいえ、日本のそれは世界一高いのは明らかです。

いつもみんなに言うのですが、世界一海外旅行者の多い日本がなぜそれに気づかないのか不思議です。どこかでけた外れの甘い汁を吸っている奴がいるのに、なぜ日本人は怒らないのでしょう。そういう話題になると、欧米人は「日本人はおとなしいからね。」と言います。これはひどい侮辱の言葉だと思いますが、言っていることは事実です。

米は約5〜8倍、肉は十倍、レストランの食事は5倍以上、外国の日本食レストランでラーメンを食べると堂々としたレストランのフルコースにワインかビールを添えた金額になります。この事実を日本人は真剣に考えなくてはならないと思いますが如何でしょう。

何だかおかしな便りになってしまいました。イースター休暇の最後の日のBBQのことから社会批評へ発展しようとは!

お陰様で元気にやっております。こちらはもう秋。紅葉は見えないとはいえ、虫の音がしきりです。日本は美しい春ですね。世界一美しい四季を大切にしてください。お元気で。

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Zen
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1999年4月5日
オーストラリアにて


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