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禅ホームページ読者の皆様

ホームページのkey増田さんからFaxが入り、CNJ(全国泊地情報)の鈴木さんのメッセージを転送していただきました。CNJに禅ホームページの情報をリンクしてよろしいかとのことですが、私は一向に構いません。どうぞお役立てください。次なるメッセージは更なる情報をということ、もうひとつは松浦さん(ヨットシーマ)についても、ということでした。

まず、オーストラリア東岸の泊地情報から。

オーストラリア東岸は平均的に浅海です。加えて、地形的に入り組んだ港というのはあまり多くありません(但しクイーンズランド州では)。従って、港が河口に設けられているケースが多いようです。ここムルラバ(Mooloolaba)もMooloola Riverの河口にあるマリーナです。

ブリズベン(Brisbane)やバンダバーグ(Bundaberg)は街の際に係留しようとすると河を10km以上も遡ります。最近はその不都合に対応して、河口または河口の外にマリーナができています。

ブリズベンは、そもそもがモレトン島(Moreton Is.)と本土に囲まれたモレトン湾(Moreton Bay)という浅海の迷路のような水路を延々とたどって、やっと河口に着きます。河口はブリズベン港(Brisbane Harbour)といって商業港で、その外側にマンレイボートハーバー(Manly Boat Harbour)があります。また、バンダバーグには、もともと河口にバーネットヘッドボートハーバー(Burnett Head Boat Hbr.)があったのですが、最近どんどん浅くなり、潮が引くと動くこともできない状態です。そこでバンダバーグ市と企業のいわゆる半官半民(全く役所臭さはない)のバンダバーグポートマリーナができています。これはまだクルーズガイドにも載っていません。

ブリズベンもバンダバーグもそうですが、はるばる街の際まで行っても汚い(水も設備も)し騒々しいし、大方はパイルムアリング(水中に打ってある杭に艇の前後を繋ぐ係留のしかた)かアンカリングでポンツーンはないし、長い間(次のシーズンを待つ)安心して係留できる場所とも思えません。特にブリズベンは公共交通システムが陸上のバスと水上のバスからなっており、高速バスボートが引きも切らず往来しています。パイルムアリングのボートが狂ったように揺れているのを見て、ブリズベンに行くには不便でも、ムルラバが一番いいと感じます。

他に代表的なものとしては、グラッドストーン、マッケイ、ボーエン、タウンズビル、ケアンズ(以上はクイーンズランド州のみ)などの港がありますが、マリーナは河口を少し入ったところか、河口を出たところなどにあるのが普通です。

しかし、クイーンズランド州だけ(ブリズベンの少し南、ゴールドコーストからケアンズの少し北まで)でも300近いマリーナとアンカレッジがあり、艇を数日停めておくのに何の不自由もありません。

ただ、一つ注意すべきは水深です。立派に水路(Strait)と銘打ってあって、干潮時には砂の島(サンドバンク)になるところがいくらでもあります。干満は1m少々と変化は少ないのですが、もともとこんな水深でヨットが通れるのかという数字がチャートにたくさん見えます。潮夕表と常に相談して前進する訳です。

私もグレートサンディストレート(Great Sandy Strait、フレーザー島と本土の間の水路=これは物凄く変化があり、めちゃ面白い)で3度ほど、8トンの禅が前のめりに急停止したことがあります。つまりキールが着底した訳です。砂と泥で底には何の心配もありませんが、気持ちのいいものではありません。

ここでムルラバについて少し詳しくお話ししましょう。

我々ヨッティが、フィジーとか、バヌアツ、ソロモン、ニューカレドニア辺りへ来ると、今年のサイクロンシーズンはどこに碇泊するかという話題になります。ニュージーランドへ行く艇、オーストラリアへ行く艇、赤道をはさんで南・北半球のシーズンの入れ替わりを利用して東南アジアやミクロネシア、或いはそれを経過して日本→アリューシャン→アラスカ→カナダと進む艇と様々です。

そんな話題の中で評判のよいところが何となく半年ほどを過ごす休養の地としてイメージが固まってくるのです。ムルラバはどちらかというと新興マリーナですが、いわゆる口コミで素晴しいマリーナという印象があり、早くから私は行くならここだと決めていました。

ムルラバは本当に美しいところです。ブリズベンの南のゴールドコーストに対抗して、サンシャインコースト(Sunshine Coast)といっていますが、美しいビーチが目路の果てまで続きます。カルウンドラから始まり、ムルラバ、マルチドール、ヌーサと南カリフォルニアのような透明感のある風景が連なっています。どこの町も河口か河沿いにあるので、水に面した家はみな個人の桟橋を持ち、ヨットやボートを係留しています。

ヨットクラブは高級なレストランやバーを備え、クラブのメンバーたちは我々インターナショナルなヨッティへのホスピタリティとして、度々パーティを開き、もてなしてくれます。恒例は火曜日の夜のBBQパーティ。それぞれBBQのネタを持参で集まり、歓談したり情報交換したりします。チャンドラーヤボートヤード、セールメーカー、それにシーフードで有名な店もすぐ隣にあり、ここの暮らしは豊かです。禅(34フィート)の1ヵ月の係留料はAus. $360(27,000円/3ヵ月まとめ払い)です。

もっと安いところがよければ、ヨットクラブから300mほど奥に入ったワーフマリーナや運河を入ったローリーマリーナが更に100ドル安いそうです。

ムルラバ情報はこの辺で。1つ付け加えると、ブリズベンの南からニューサウスウェールズ州になります。NSWには有名なシドニーがあり、港は世界三大美港(他2つがどこかは知りません)のひとつとのこと。外海から直に深く入り組んだ美しい港で、河を遡ることはありません。

*****

次に松浦さんについてですが、彼はここの滞在が長くなることが分かった時点で賢明にもローリーマリーナにバースの空きを見つけて移りました。従って用のあるときVHFで話すとか、ローリーマリーナの近くのスーパー(15分程)へディンギーで買い物に行くときしか現在は会いません。しかも今彼は英語の勉強にクイーンズランド大学へ通っていて日中はマリーナにいません。

彼とは、そもそもが無線で知り合ったのですがそれが何とハワイ近海で遭難しかかっているときでした。

シーマはハワイ近海でハリケーンに巻き込まれ何度かノックダウンしました。詳しくは分かりませんがブームやウィンドベーンその他航行に重大な役目を果たす装備が駄目になり、どうしたものかと無線で話したのです。彼はハワイのチャート(海図)を持っていなかったので、私がモロカイチャネルへアプローチするコースを出し、何とかホノルルへ導くことに成功しました。その後互いに連絡はありませんでしたが、去年私や唯我独尊がフィジーにいる頃、シーマがハワイを出て南下中という情報がありました。我々がフィジーを離れバヌアツにいる頃、アメリカンサモアのパンゴパンゴ(Pago Pago)からコールがあり、禅は次にどこへ行くのかと聞かれて、ニューカレドニアへ行くと答えると、オフシーズンはどこで過ごすかと尋ねます。オーストラリアのムルラバと答えると、「よし、俺もそこへ行く。ニューカレドニアで追いつくからな。」といってきました。

やがてある日、シーマがニューカレドニアはヌーメア(Noumea)にあるポートモーゼル(Port Moselle)にやってきました。声だけで知り合ったものが会うことをアイボール(目玉)といいます。お互いのアイボールの印象は、“一人で航海する偏屈者”ということ。2人とも1936年生まれ。何となくお互いに、相手の中に自分を見ているような部分があると思います。

彼は英語の勉強方々、ヨットの修理に精を出しています。来年5月、シーマと禅は弥次喜多道中よろしくグレートバリアリーフを越え、ダーウィンへ、そしてインド洋、航海、地中海と進みます。おかしな縁ですね。

随分長くなりました。この文をホームページに移す山崎さん、ゴメン!また何かお知らせするよいネタが見つかったらお便りします。

Bye

禅ホームページ 読者の皆様へ

西久保 隆

Zen
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1999年8月12日
オーストラリアにて


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