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ニュージーランド旅行記

西久保 隆

去る11月30日、オークランドを発ち、同日南島のクライストチャーチに着き、昨日12月11日再び北島のオークランドまで戻ってきました。

出発の日までオークランドはひどい天気でしたが、クライストチャーチに着いてみると晴天。その天気は幸いなことに南島旅行の間中、ずっと続きました。そして、昨日からオークランドは再び曇りと雨。どうも悪天候は私について廻るようです。

南島の好天はクライストチャーチで落ち合った連れが運んできたもののようです。

航海中も、私の印象では晴れて風も海も和やかということはあまりなかったと思います。南太平洋の一部の航路を共にした「唯我独尊」などは、日本を出発し、アリューシャン、アラスカを経てカナダへ至る間、最大風速が35ノットだったといいます。しかし、悪天候を避け、北緯40〜50度辺りを東航し、カナダへ向かった私の方が、逆に80ノットの大嵐に巻きこまれ、5日に1度は45ノット以上の大時化に会っているのです。

どうも、天候に関しては私は全く運が良くないようです。

話を南島へ戻しましょう。

11月30日、午後3時40分。クライストチャーチ国際空港の到着ゲートで、日本から来た30年来の友人Yokoを出迎えました。本当に懐かしい再会で、思わず駆け寄って抱擁しました。彼女にしては随分抵抗があったのかもしれませんが。

空港前のシャトルバス(ドアツードアの小型バス)をつかまえ、市内のAlexandra Court Motelへ。モーテルの受付でチェックインの後、安いレンタカー屋を紹介して欲しいというと、なんと真向かいに小さなレンタカー屋があり、すぐに連絡してくれました。日産ブルーバードSSS-X 2000を10日間NZ$450(約25,000円)でレンタルし、早速市の中心部へ。私にとっては既に3度目の南島で、見るべきものはおよそ分かっているので、その日は大聖堂を眺め、スーパーマーケットで朝食用のパン、バター、チーズ、ハム、卵、それに移動時の昼食用に米、梅干、海苔などを買い、その後は最も英国的なパブで夕食。

他は翌日に残し、旅の疲れもあろうと、早々に宿に戻りました。しかし、ニュージーランド、特に南島は日没が8時半以降、日暮れが9時半、本当に夜になるのは10時です。結局は午前1時過ぎまで、積もる話が続きました。

12月1日(水)

のんびりと朝寝して、昼少し前から市内観光です。

クライストチャーチ特有の建築、石造りの大聖堂、博物館、アートセンターを見物し、公園というにはあまりにも広いボタニックガーデンを散策しました。ちょうど春から夏への変わり目で、以前目を楽しませてくれた花々はありません。しかし、その広々とした林や芝生、そしてほとんど無人という伸びやかさに、Yokoは感激したようです。

夜は古いお城のようなレストランでVenison(鹿)のステーキを賞味しました。素晴らしい味です。

12月2日(木)

6時起床。昨夜作っておいたおにぎりを携え、7時10分に出発。

クライストチャーチからクイーンズタウン約500kmを要所要所を見物しながら行くので早めのスタートです。国道1号線といっても、ほとんどが荒い舗装の1車線です。中央分離帯などなく、中央に白線が引かれているだけのまっすぐな道です。前を見ても後ろを見ても他の車の姿もありません。これでもRoute 1、ニュージーランドで最も主要な幹線道(Highway)です。

200km程走った辺りから、道端にルーペン(ルピナス)の花が群生しているのが見え出しました。それに混じって、エニシダの黄色い花、そして所々に菜の花の淡い黄色です。天気は上々、その上山全部がエニシダで覆われていたりします。遠景はビロードのような牧草地と羊の群れ。アー、NZ!という風景です。

突然目の前に異様な水の色が拡がります。Lake Tekapo(テカポ湖)です。水は乳青色とでもいうのでしょうか、初めて見る人は湖の不思議な湖の色に戸惑います。

そして何と、この湖を取り巻くルーペンの美しさ!紫系を主体に、青から赤紫、ピンク、赤、白etc…。バスが停まり、多くの観光客を吐き出すと、誰もがこの花群の中にうずくまるようにしてシャッターを押しています。

この湖畔に「善き羊飼の協会」というオダゴ地方に産出する石で造った教会があります。この小さな礼拝堂の最奥はキリスト像ではなくて、湖と遠いサザンアルプスの白い峰々を絵画のように縁どった大きな窓です。思わず息をのむばかりの美しさです。

暫し散策の後、湖に面して建ち、ルーペンの花花に囲まれたThe ChaletというTekapoで一番美しい宿へ駆け込み、12月8日の宿を予約しました。部屋を見せてもらうと、このThe Chaletで最も豪華な部屋です。広い窓(もちろん、湖とアルプスとお花畑に面した)の際には、寝転んで風景が楽しめる寝椅子やソファーがあり、巨大な暖炉を取り囲んで広々としたリビングもあります。さらにベッドルームは2つで合計6人はゆったりと泊まれます。

キッチンもフル装備で、要すればケーキだってローストビーフだって作れる設備です。それよりも驚くのは、センスの良さ。ソファーのクッションからラグ、壁の多くの絵など、ほとんどが手作りの暖かみとそれを選んだセンスが伺えます。

道を急ぎましょう。次はLake Pukakiです。この湖水もTekapoと同じ水の色。ルーペンの花群はTekapo程ではありませんが、Pukakiは正面にニュージーランドNo. 1のMt. Cookの真っ白い雄姿が見えます。この雄大な風景を眺めながら、お昼のおにぎりの美味しいこと!

さらにRindas Passという山岳地帯を駆け抜け、午後2時半、Queenstownに到着しました。宿はCreekside Motor Parkのモーテル。深い林と名の通りCreek(小川)がモーテルの際を流れさわやかな水音を響かせています。

12月3日(金)

今日一日は、Queenstown観光です。朝遅い食事の後、驚く程急峻なケーブルカーで街の際からせり上がる山の頂上へ登ります。目下はまさに箱庭。ひたすらため息が出るばかりです。時折タンデム(2人乗り)のパラセールが目も綾な色をちりばめて目の前を滑空して行きます。

しかしダウンタウンは先日(2週間前)の洪水の傷跡をとどめています。湖畔に華やかな店を連ねていた辺りは、地面から1、2m程に洪水の折の水位の線をとどめ、店は見る影もありません。湖畔からはなれた商店街は被害も少なかったらしく、Queenstown観光を支えようと懸命に頑張っている様子でした。

12月4日(土)

かねて予約してあったMilford Soundのバスツアーの日です。バスがモーテルまで迎えに来てくれますが、それが7時20分、今日も6時起きです。

予定通りバスが来ました。何と全て日本人客、ガイドも日本人です。ドライバーのBrown氏だけが“外人”というツアー。ちょっと異様ですが、まあいいか、ということで往復600kmの旅の出発です。

Queensの湖、Lake Wakatipuの東岸に沿って進み、Te Anauまで約200km。そこからRain Forestを抜け、次第に氷河が形作った山岳地帯に入って行きます。その地形の異様さとスケールの大きさに息をのみ、見回すと遠い絶壁から幾筋もの滝が落下しています。山岳地帯の頂上はHomer Tunnel。恐ろしい風が吹いていて立っていることもままなりません。トンネルは固い岩盤を削りとっただけのもので、大型バスの屋根がやっとくぐれる高さしかありません。

トンネルの向こう側は完全に別の世界です。何だか切り立つ山(岩)が、斜めに滑り落ちるように海へ繋がっています。この情景を見て、以前にも思ったことですが自分で運転してこなくて良かったと痛感します。大型の遊覧船に乗る頃、圧倒的に雨が多いこの辺りはさすがに曇り空。海上からほとんど垂直に1600m以上もせり上がるマイターピークは、さすがに半分から上は雲の中です。屋根のないアッパーデッキに立つと物凄い風です。写真は撮る側も撮られる側も同じ場所に立っていることが難しい程です。

私は2度目ということもあり、新たな感動もありませんが周囲からは感嘆の声が上がります。

Milford Soundを抜け、Tasman Sea(タスマン海、NZとオーストラリア間の外洋)に出ると、今度はうねりのために立っていることもできません。加えて雨が降り出しました。帰りのバスはひたすら眠り、Queenstown着は夜7時40分。

後半に続く>>


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