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2002年1月28日(月)/晴れ・北西の風・9℃

 随分、ご無沙汰してしまいました。

 ご推察のとおり、航海記の執筆に邁進しております。

 既に、第一章・JAPAN to CANADA、第二章・WEST COAST of AMERICAは完成し、現在は、第三章・SOUTH PACIFIC OCEANを書き進めているところです。

 嬉しいことに、舵誌での連載が決まりました。編集長の特段の計らいで、3月号からの掲載となります。発売は2月上旬。もうすぐです。今まで、「禅からの手紙」としてご愛読いただいたものがベースとなっていることは当然ですが、あらためて航海記の形でまとめてみると、また違った側面が見えてきて、書いている本人が、結構楽しんでいます。

 それにしても長大なものになりました。自分では、瑣末な部分は出来るだけ端折って書いているつもりですが、商業出版社では、こんな長いものは出版出来ないといわれてしまいました。もっとも、最近は活字離れが顕著で、劇画さえあまり売れないそうですから、活字だけの部厚い本が売れないというのも分かる気がします。

 連載は、異例なことですが、通常なら各月4、5ページが一般的なのに、13、4ページも使わせてくれるのだそうです。活字離れの世相を考えると、よほど面白くなくては読者に飽きられてしまうと、ちょっと緊張し、また心配しています。

 長いといえば、第三章で終わるつもりが、もう一章さらに加わりそうな様子です。というのは、各章を400字詰めで200枚程度に書いていますが、現在、タヒチまで書いたところで、もう150枚にもなっています。これから、もっとも面白かったモーレア島やボラボラ島、さらにスバロフ環礁、そしてニュージーランドと続きます。これだけでも第三章は300枚ほどにはなりますから、その後のフィジーからオーストラリア、そして、苦悩のグレートバリアリーフへとなれば、さらに第四章が必然的に続くことになるからです。

 第二章まで書き上げて、文芸春秋社等の出版社に持ち込み読んでもらいました。

 そうしたら、以前から私自身が気にしていたことが現実になってきました。つまり、文学性の欠如です。思い浮かぶままに書き綴ってゆく安易な執筆に、物語を客観視するプロセスも、また物語を語る語り口も十分に咀嚼されていないことが再確認された訳です。これは、自分でももっと深めてものごとを見詰めなくてはと、薄々感じていたことですから、あらためて指摘されると、根底から自分の甘さが浮かび上がってきた訳です。プロの作家でもないからと開き直る手もありますが、もともと文学への思いが深い私としては、やはり無視しては通れぬ問題でした。

 それ以来、急に書けなくなってしまいました。もう随分以前から手掛けているのに、第三章は、まだタヒチまでしか来ていません。でも、こうした辛口の批評が私を高めてくれると考えて、言葉を選び、物語の組み上げを大切にしながら、どうにか書き続けている状態です。

 文中には、このホームページにも触れています。また、このページに多くの方々の視線が注がれることを期待しています。

 前にも申し上げたように、航海記としてのドキュメントに、所々、フィクションが挟み込まれています。はじめのうちは、このホームページの中に収録されている短編がほとんどでしたが、勿論、それで足りるはずもなく、随分たくさんの新しいフィクションが生まれました。ほろ苦かったり、ロマンチックだったり、ちょっと不気味だったり・・・・・それなりにお楽しみいただけるものと自負しています。

 どうぞご期待いただくと共に、私のつたない紀行文が、舵誌の売れ行きに少しでも貢献できて、更なる執筆の機会となりますようにサポートいただきたく、お願い申し上げます。

 私は、帰国以来、ヨットとは無縁の生活を続けています。ヨットに興味を失ったということでは絶対にありませんが、執筆に集中していることと、もう少し自分と海との関わりを見詰め直してみたいと思う側面があります。安易に航海を打ち切ったのではなく、それなりに真摯な選択であったという納得が得られなくては、神聖な海との関係を安直に立て直すことは出来ないと思うからです。

 また暫くご無沙汰が続くかも知れませんが、私は、その間、夢中で紀行文を綴っていますのでご了承下さい。舵誌上でお目に懸かることを楽しみにしております。

Zen


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