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2月17日(土)/曇・雨・27℃・北東の風22Kn/Stormy

 相変わらずひどい嵐です。いつもの通り、一度はまると長期にわたって同じ天気が続くのがここの特徴です。

 前にもお話ししたように、AUでやっと携帯を手に入れ、インターネットに繋いでメールを送れるようになりました。AUにいる間は、キャビンとJapanは直通です。

 PCにもインターネットにも少しずつ慣れてきて、私は今、いろんな可能性にトライしようとしています。その手始めに、このホームページの手紙をインターネットで送ってみようと試みました。多分、こんなことは全くの初歩的なことなどでしょうが、解説書も見ず(あるのに読まない)、教えてくれるPCオタクも居ない環境では、私にとって、これは一つの冒険です。

 今まではマイクロソフト・ワードに日記風に書き溜め、適度の分量になるとフロッピーに移し、それを郵便で増田さんへ送っていました。その先がどうなるのかはPC音痴の無邪気なところで、当然、どなたかがご苦労なさっている事実を、私はよく理解していませんでした。(本当は今でもよくは分かりませんが)

 送られた手紙をホームページへ載せて下さるのが、USのコロラドでコンピュータ関係の仕事をされている山崎さんであることは知っていましたので、書き溜めた手紙を、マイクロソフト・ワードからコピーにとり、メールのページに貼り付け、山崎さん宛てに送ってみました。その上で、“届いていますか?”という確認のメールを出しました。

 程なく、山崎さんから、“届いています。メールで送ってもらうと、作業がとても楽になります”と、ご親切な返信を頂きました。さらに、CCで送った増田さんからも届いた旨のご返事と“山崎さんの作業が百倍も楽になるのですよ”というお便りをいただいたのです。

 ということは、私が冗漫に書き流していた手紙を、今まで山崎さんが一字一字HPへ書き写されていたことが想定されます。これは大変なことです。手紙を書く側は、暇に任せていとも気楽に書く訳ですが、忙しい仕事の合間を縫って書き写される側のご苦労は、これはもう、ただ事ではありません。“PC音痴の無邪気”などといって済む話ではないのです。知らぬこととはいえ、山崎さん、ごめんなさい!

山崎注:別に手で書き写しているわけではありません。以前Faxで送ってもらっていたときは手入力だったので大変でした。フロッピーで送ってもらうようになってからは、入力の手間が省けるので助かっています。この場合、フロッピーの郵送に時間がかかるのと、ワードからHTML(ウェブページで使われる言語)に変換するのが多少面倒なだけです。メール本文にペーストして送ってもらうとこの変換の手間が省けるので多少早くなります。

 私のこのささやかな冒険は、未知のPCテクニカルを手にしただけではなく、私を支援して下さる方々の温かい友情にも気づかせてくれた訳です。感激!!サポート・グループのみなさん、ありがとう!!!

 

2月19日(月)/曇・雨・26℃・東の風22Kn/Stormy weather

 遂にGale warningです。全くひどい天気で気が滅入ります。

 外へ出かけることも出来ないので、ソファに寝転んで本ばかり読んでいます。

 本はとても貴重です。特に初見の本となると、もう、ほとんど宝物です。何故かというと、外国では、如何に日本の食品や日用品が豊富な街でも、日本の書籍を売る書店というのは未だに見たことはありません。(以前、サンディエゴで、「ヤオハン」に書籍コーナーがありましたが)ですから、日本の新しい書籍を手に入れるということは、事実上不可能なのです。

 よく、日本関連のお店などで、古本を置いているのを見ることがあります。外国で暮らし、日本へ引き上げる人が置いていったものなのでしょう。しかし、読書というものはかなり個性的なもので、本なら何でもいいという訳にはいきません。

 私の場合ですと、時代もの(特にチャンバラや剣豪もの)やハウツーものは読みません。主に読むのは、アメリカ文学とフランス文学、それに特定の作家の日本文学や評論。一例としてアメリカ文学では、ジョン・アーヴィングやアーウィン・ショーやカポーティやマキナニーやポール・セローや・・・勿論、ヘミングウエーやスタインベックやフィッツジェラルドやフォークナーやメルヴィルなども大好きです。それに、暇つぶしには、トム・クランシー。世界中の古典には特別な敬意を払います。

 日本のものでは村上春樹や立原正秋が好きです。仏教説話や仏教哲学、そして原典も私の精神的支柱として常に読んでいます。

 まあ、そんな具合で、読書というものは個人的趣向が著しい訳です。従って、古本、特にお手軽な娯楽ものの中に、私が興味を覚える種類の本の発見はほとんど不可能です。

 先日、有隣堂の友人にお願いして或る書籍を5冊ほど送っていただきました。まだ読んでいない本は、何だか読み始めるのが勿体無い感じさえします。しかし、日頃は5度も6度も読み返した本で我慢している訳ですから、新刊ともなれば、それはもう、飢えた者が貪り食らうが如くです。特に、昨日、今日のように外へも出られない日は大変です。読み進むにつれ次第に興に乗ってくる訳で、一区切り毎に残りのページ数を惜しみ数えつつ、更に先へと進みます。そして、結局一冊読み切ってしまいます。遂に今日、折角送って頂いた5冊を全部読み終わってしまいました。

 天気が悪いと、思いも掛けぬ弊害があるものです。明日からはまた、6度目の「ホテル・ニューハンプシャー」(ジョン・アーヴィング著)です。やれやれ・・・・・。

2月21日(水)/快晴・33℃・北東の風 5kn/Fine

 やっとSunshine Coastらしい天気になりました。

 でも、AUのかなりの部分が低気圧の被われ、モンスーン・トラフがその移動を司っている模様です。正確には、モンスーン・トラフがどういう働きをするのか詳しくは分りませんが、気象上の不穏材料であることは間違いないようです。サイクロンもこの線上に発生します。

 40年前に、私は北海道の砂川でひどい追突事故を経験しました。その頃はまだ、鞭打ち症など認識されていなかった時代ですから、外傷がなければ異常なしとされました。

 後日、40歳代後半頃から原因不明の頭痛に苦しむようになり診察を受けたところ、その鞭打ち症が原因と分りました。それも重症で、頚骨が大幅にズレ、右手と視力の神経を圧迫するかも知れないというものでした。今のところはそうした異常(視力低下や右手の痺れ)は来たしておりませんが、気象の変化、特に前線が接近する時にはひどい頭痛がします。よく、晴れた日に突如頭痛が始まることがあり、暫くするとにわか雨が降ったりします。そういう頭痛は、さしたる影響もないのですが、強い鎮痛剤が全く効かず何日も続く頭痛に苦しむことが時々あります。

 こちらの鎮痛剤は、日本のそれと比較して非常に強力です。薬の強度は、大雑把にいえば体重に比例する訳ですから、こちらの一般的な大人を想定すれば当然のことです。その強力なNUROFENという薬を効能書き通りに2錠服んで全く効かず、じきにまた2錠服むということが繰り返されます。1日の服用限界は8錠までとあるので、それ以上は服用しないようにしていますが、それでも効かない場合が度々です。これは内科的原因ではなく、頭痛が物理的原因によることを示します。つまり、天気の変わり目に古傷の痛みや神経痛を訴えるという事例と同じといえます。

 昨日と一昨日が正にそうでした。今日もまだスッキリしません。つまり、快晴とはいえ気圧配置が非常に不安定で、近くに前線が潜んでいることを物語っている訳です。

 よく、天気予報になって便利だね、などという人もいますが、この手の頭痛の苦しみは当人でなければ分りません。私の頭痛天気予報によれば、この快晴・微風は長続きしないという結論になります。

 話は変わりますが、マリーナの土手にある樹木にカラスが巣を作りました。朝夕はその鳴き交わす声が非常にやかましく困ります。それよりも、カラスがマストに止まることによる被害が甚大です。先日も、小さなヨットの風速計のトランスジューサーに止まって風向の羽を壊してしまいました。風にふらふら揺れるそんなものに止まらなくてもよさそうなものを、苦心して止まるのです。不安定ですぐに飛び立って行きますが、それでも繊細なトランスジューサーは壊れてしまいます。

 先日調整した私の風速計をチェックしようとスイッチを入れました。ところが、全く動きません。風が弱いことは確かですが、周りのヨットのそれは動いていますから、どうやら、私の風速計もカラスにやられた可能性があります。

 こちらの人の自然感覚でいえば、恐らく、カラスの巣を取り払うということはしないでしょう。風速計は、つい先日取り付けたばかりだというのに・・・困ったものです。

【夕方5時】

 Ronがみえたので、ウインチ係をお願いし、マストトップへ登ってみました。案の定、トランスジューサーの回転部のはめ込みが捩れていました。マストトップの平らなスペースは恐ろしく狭く、カラスといえどもとまって羽根を休める余地はありません。クルクル廻る回転部に(静止している時)とまったか、それとも狭い平面部にとまって体を押し付けたか、いずれかに違いありません。押し嵌め式の部分が少しゆるめだったので、序でにテープで補強しました。

2月25日(日)/快晴・35℃・北東の風5kn/Marvelously warm

 ひどい暑さです。だまっていても汗が流れます。残暑なのでしょうね。こんな暑さは真夏にもありませんでした。

 今朝から、床やシンク回りのニス塗り、トイレのドアのストッパー取り付け、コンパニオン・ウエィをカバーするドジャーの修繕など、こまごました作業に忙殺されています。今はちょっと一息入れたところです。

 ドジャーはキャンバスで出来ています。強い力で張っていて、それに紫外線にいつも曝されていることもあって、ところどころ裂けています。以前はガムテープで補っていましたが、どうも汚らしくていけません。

 昨日、Kawanaへ行った折、セール屋に寄って、青いキャンバスを買ってきました。昨夜は、それをダブルにして25×5mmのベルトを4本作り、今朝から縫い付けに掛かった訳です。

 セール用の蝋引きの糸と針で数枚に折り重ねたキャンバスを縫うのは、何度やっても大変な作業で、裁縫というよりは大工仕事に近い力仕事です。「エレンの消息」(HP収録の小説参照)の冒頭にもあるとおり、あちこち針を刺して血を滲ませての作業です。

 その前に、床板にサンドペーパーを掛け、二スを塗っておいたのが乾いています。再びサンドペーパーをかけ、ニスをペイントします。合間をみて、トイレのドアのストッパー付けです。このドアは、トイレのドアであると同時に、キャビンとフォクスルを仕切るドアにもなっています。トイレのストッパーは必要上、以前につけましたが、フォクスルを閉ざす時はキッチンペーパーを畳んで挟むという具合でした。航行中はドアがローリングに合わせて、開いたり閉じたりしています。

 以前、北太平洋を単独航海中、トイレに入っている時にローリングでドアが開き、次の瞬間、物凄い勢いで閉まりました。その衝撃でドアの開閉機構が壊れ、ロック状態になってしまったのです。どうやってもドアが開きません。このままトイレに閉じ込められて過ごすことになるのかと、絶望的になってしまいました。トイレに腰掛け、ここから出る妙案がないものか考えていると、単にドアを蹴破ればいいのだと気づきました。幸いにも、ドアは外側へ開きます。ノブを廻してドアを開けることしか考えていなかった訳です。それ以降、トイレのドアは壊れたままです。

 壁とドアに金物を取り付け、何とかドアがキャビンとフォクスルを仕切る状態にしました。そしてまた、ドジャーのキャンバス縫いに戻ります。

 ウィークエンドは1分間、電話の通話料が22セントです。Mobilenetの場合、オフライン作業でメールを書き、sendの時だけオンラインにすればいいので、通話は1分もかかりません。PCを開いた序でに、サポートの斎藤さんに

「暑い一日です。日曜日というのに、まさか仕事じゃないでしょうね。」
とメールを送りました。そうしたら、折り返し
「職場のアドレスにメールを送っておいて、仕事じゃないですよね、はないでしょう!!正に、正に日曜日の今日、仕事してますヨ」
というお叱りを受けました。このアドレスが職場用とは知りませんでした。それにしても、日曜日もお仕事とは・・・。日本のビジネス・マン(ウーマン)は、本当に大変ですねェ。

Zen/西久保 隆


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